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by eukaryo

食べ物=化学物質時代の幕開け

Excite エキサイト : 社会ニュース
中国産冷凍餃子から新たに微量のパラチオンが検出されたそうです。混入ルートの解明に至らぬまま、検出された薬品の種類が増しており、汚染は広まる一方な印象です。
今回の中国産食品の問題については、早く全容を解明して対策を講じて欲しいところですが、食品の汚染と言う点で考えると世界的な広がりを持つ問題でもあります。
世界で60億人分の胃袋を満たすためには、農業の工業化が必要不可欠です。すべての作物を無農薬や有機栽培だけで賄うことは不可能で、多かれ少なかれ農薬や殺虫剤の類を使用せざるを得ないのが現状です。つまり何かを食べると言う行為はすなわち、化学物質を体内に取り込む行為となります。ここで問題なのは化学物質の相互作用です。各薬剤については動物実験などを元に安全基準が設けられてあると思いますが、体内で複数の化学物質が混ざった時にどのような相互作用が生じるのかまでは調べているわけではないでしょう。各薬剤が基準値以下でも、重なって体内に蓄積することで予想外の作用をもたらす可能性がなきにしもあらずと思います。
農薬メーカーは自社製品の安全については責任を持たなければなりませんが、他社の製品との相互作用までは責任を持たないでしょう。使用される薬剤の種類が多くなれば、組み合わせの数はすぐに膨大な数に上ります。このように複合的な汚染に関する研究は、企業任せではとても追いつかないので、公的な研究機関や大学などの出番となります。そこで大事になるのが研究機関の独立性です。企業からお金をもらっているから企業に不利になるようなデータの公表は差し控えると言うようなことがあってはなりません。
先ごろ、トヨタや三菱東京UFJ銀行など大企業が基金を作り、東京大学の研究を支援することが発表されました。東京大学の研究が充実するならば良いことだと思いますが、研究の独立性が損なわれては大学の存在意義自体が危うくなります。企業側には金は出すが口は出さないと言うスタンスを貫くことが求められます。
話がわきに逸れましたが、日本の研究機関は化学物質の測定など高い技術を備えているので、複合的な汚染の研究でも世界をリードして欲しいものです。
by eukaryo | 2008-02-24 10:47 | 社会